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ペルテス病 PAEG TOP PART-4-1 |
(1) 病態および原因 発育期に大腿骨近位骨端部(骨端核)に疎血性壊死を起こす疾患である。骨の強度が極端に弱くなり、放置しておくとつぶれて骨に変形が生じる。2〜10歳(好発年齢は4〜7歳)の男子(女子の5倍)に多い。5歳未満であれば予後は良好、それ以降の発症では年齢が高くなるほど予後が悪くなる。骨端核を栄養する外側骨端動脈の閉鎖が考えられるが、動脈閉鎖の原因はまだ分っていない。 |
(2)症状および診断 初期症状としては、多くは股関節の痛みであるが、なかには大腿部や膝の痛みを訴えることもある。トレンデレンブルグ兆候が陽性であり、跛行(びっこ)になる。 同時に股関節可動制限は屈曲、外転、内旋が制限される。 ペルテスは成人の同様の病気である特発性大腿骨頭壊死症と異なり、血行の再開通がおこり修復機転が働くことが大きな特徴であり、発症から修復機転が終了するまでは3年〜5年です。これを大きく4つの病期に分けます。 1.滑膜炎期 2.壊死期(硬化期) 3.分節期 4.修復期 診断は臨床所見とX検査、MRI、超音波検査など画像診断を行う |
(3)治療 ペルテスの治療は、出来るだけ大腿骨頭の変形を防止し、将来変形性股関節症に移行しないようにする。保存療法では免荷と装具(三角形ソケット型ペルテス病装具)を用いて股関節外転、内旋させて骨頭を臼蓋に求心的に保たせる。壊死した部分が新生骨に修復されるまで、骨頭への負荷を減少維持する。観血療法では、骨頭が常に臼蓋に包み込まれる状態を作る。手術には次の3つがある。 大腿骨内反骨切り術と臼蓋骨切り術がありその組み合わせもある。 |
大腿骨頭壊死症 PAEG TOP PART-4-2 |
(1) 病態および原因 大腿骨頭壊死症は原因な明確な症候性のものと、原因が明確でない特発性のものもある。 症候性のものは、大腿骨頚部骨折、外傷性股関節脱臼後に生じることがある。塞栓性のものには栓看病、ゴーシェ病、鎌状赤血球症などにより血管内塞栓による疎血や、ガンなどの放射線治療でも生じる。特発性のものは、女性ではステロイドの関係が、男性ではアルコール摂取に関係ある。 |
(2)症状および診断 股関節痛があり、膝や臀部にも痛みを伴う、左右に発生する確率は50%を閉める。関節の可動域制限は外転、内旋制限がある。初発症状が腰痛、膝痛、臀部や大腿部前面部痛、坐骨神経痛様疼痛などがあり確定診断に時間をようする。股関節の痛みは壊死病巣が陥没を生じるまで痛みが出現しない。 診断には外傷暦や病歴、ステロイド大量使用、アルコール多飲暦などの情報が診断に役立ちます。 単純X線像で異常所見無ければMRI、骨シンチグラムで異常所見を見つける。 |
(3)治療 頬損療法は壊死範囲が小さく、非過重の部分にある場合は保存療法が適用する。壊死の部分に過重をかけなければ、2〜3年で正常骨組織にもどる。 観血療法には、骨頭穿孔術、骨切術、骨移植術、人工関節置換術がある。 |
変形性股関節症 PAEG TOP PART-4-3 |
(1) 病態および原因 関節軟骨の変性、磨耗により関節の破壊が生じ、これに対する反応性の骨硬化や骨棘形成を特徴とする疾患である。多くは女性起こりやすく、発意性股関節形成不全の後遺症や股関節の形成不全といった子供の時の病気や発育障害の後遺症ガ主な原因で80%を占める。これらを二次性と呼ぶ、特に原因といったものが無く、年齢に伴って発症することもある。これも女性に多く、原因が明らかでない場合は、一次性に呼ばれる。 発意性股関節形成不全とは、乳幼児検診で(開排制限股の開きが悪い・脱臼感)の早期発見される様になった。赤ちゃんの足を伸ばした位置でオムツをするなど、間違った育児習慣により関節が外れて 行くことが多いといわれる。昔は先天性と言われていたが、今は発育の過程で生じることが多いと言われることから呼び方が変わった。最近は紙オムツが主流になり減少にある。抱っこ紐スリングはその意味では使用注意である。 |
(2)症状および診断 主な症状は関節の痛みと機能障害である。初期は立ち上がった時や歩き始めに足の付け根辺りに痛みを感じる。進行すると痛みが強くなり、もっと進行すると持続痛や夜間痛も生じる。関節の可動制限(内旋・外転・屈曲・伸展の制限)が進行と伴に生じる。痛みの原因は滑膜炎・関節周辺筋の疲労による痛み、軟骨下骨層の破壊や硬化による痛み、機械的刺激に誘発された滑膜炎症などが考えられる。日常生活への影響は、足の爪が切りにくい、靴下を履きにくい、階段の上り下りに手すりが必要になる。 X初見では、関節裂隙の狭小化、軟骨下骨組織の硬化像が見られる。新後期や末期関節症となると、関節の周囲や中に骨棘が形成されたり、骨のう胞(空洞)が形成される。 |
(3)治療 初期のうちであれば、過体重の方はダイエット、筋肉の衰えを防止するには水中歩行や水泳(平泳ぎはダメ)をする。保存療法としては温熱療法、薬物療法、関節内注射(副腎皮質ステロイド)、装具療法、理学療法などでは、筋力強化訓練(大臀筋・中臀筋・大体四頭筋)などの強化、関節可動域訓練などが行われる。 観血療法、保存療法が効果ないときに行われる。初期段階では骨切り術、進行している時は人工関節置換術(THA)ガ行われる。 |
関節リュウマチ PAEG TOP PART-4-4 |
(1) 病態および原因 関節リュウマチの病態は、自己免疫疾患により自分の身体の一部を自身のものと認識せずに、これに対して抗体をつくり反応を起こしてしまう(関節であればそれを破壊する)全身性の多発性関節炎を起こす。この抗体が関節を包む関節包(関節の周辺を囲む袋)の内側にある滑膜(滑液を作る袋)にリンパー系細胞が集まり反応を起こし滑膜は関節破壊物質を生成し、次第に関節の軟骨や骨を破壊する。 リュウマチは関節以外でも、心臓、肺、消化管、皮膚などに血管炎が起こり、発熱や心筋梗塞、肺臓炎、腸梗塞などを引き起こす悪性関節リュウマチがある。 原因は、遺伝的要因や細菌・ウイルスの感染などが考えられているが、原因はまだ明確ではない。 手指(PIP・MP関節)、足肢、手首の関節に痛みと晴れが生じる。肘や膝、股関節も侵されやすい。関節炎は緩解と増悪を繰り返し、関節の変形や軟骨の破壊を繰り返す。 一般的には女性の(20〜50歳代に多い)男性の3〜5倍である。初発症状は朝の指のこわばり、関節の腫脹、貧血、発熱などがある。末期になれば関節破壊が進み、過重関節では人工関節が適用になる。 |
(2)症状および診断 全身性の結合組織の炎症性疾患であるので症状も多岐にわたる。 関節に限局した症状 手指の朝のこわばり・腫脹(滑膜増殖による滑液算出の増加独に言う水が貯まる現象)・関節不安定性(関節なぞの腫脹による関節を取り巻く靭帯の弛緩)・関節拘縮(骨破壊が進むと関節の構造が破壊され、可動性が悪くなる)・関節の変形(手の指ではスワンネック変形やボタン穴変形など)・握力低下 関節外の症状 貧血や微熱・腱鞘炎(腱の破壊により断裂することもある)・皮下リュウマチ結節・胸膜炎や肺繊維症・神経症状(環軸関節の亜脱臼による」脊髄の圧迫による症状)・他症状 診断には、従来よりのアメリカリュウマチ協会の診断基準があったが、この基準は基準項目が6週間以上持続することが条件になっているため、最近協力な抗リュウマチ薬の登場により、早期治療が有効となり、診断基準も見直された。新しい基準はアメリカリュウマチ学会と欧州リュウマチ連盟の共同策定ちして発表された。 新しい基準は以下の通り A関節浸潤 ・大関節1ケ所(0点) ・大関節2〜10ヶ所(1点) ・小関節1〜3ヶ所(2点) ・小関節4〜10ヶ所(3点) ・小関節10ヶ所以上(5点) B血清学 ・RF(-)and抗CCP抗体(-)(2点) ・RF(+)or抗CCP抗体(+)(2点) ・RF(++)or抗CCP抗体(++)(3点) RFとは、リュウマチ因子(同リュウマトイド因子)関節リュウマチで見られる自己抗体の1つ) CCP抗体とは、(CCPは環状シトルリン化ペプチド)を抗原とした自己抗体測定法のこと、関節リュウマチの診断に用いられる血液検査のひとつ。抗CCP抗体とも呼ばれる。 C急性炎症反応 ・CRP正常and赤沈正常(0点) ・CRP高値or赤沈高値(1点) D羅病期間 ・<6週間(0点) ・≧6週間(1点) A〜D上記項目の合計が6点以上でリュウマチと判断する。 血液検査などでは、血沈の亢進(CR=C反応性蛋白、RA因子陽性、貧血、血清グロブリン値の亢進)がみられる。 X線所見では、関節周辺の骨萎縮、骨棘、関節裂隙の狭小化及び消失、骨性強直が見られる。 鑑別診断が必要な疾患としては、全身性強皮症、SLE(全身性エリデマトーデス)、血清反応陰性脊椎関節炎、通風などがあり、鑑別の必要ある。 |
(3)治療 腫脹や疼痛の緩解に抗リュウマチ薬(NSAIDs)非ステロイド剤)を用いる。 観血的治療は、骨膜切除術、関節形成術、関節固定術、人工関節置換術などがある。 |
弾発股 PAEG TOP PART-4-5 |
(1) 病態および原因 股関節の運動に伴い弾発現象を生じる疾患である。 @外側型 股関節曲げ伸ばしによって、腸脛靭帯が大転子部を前後に乗り越える際に、大転子部に引っかかり弾発が起こる。 原因としては、スポーツや職業上のオーバーユースや内反股や大転子の形状異常、大転子部辺りの骨折後の変形治癒などが考えられる。 A股関節の屈曲・伸展動作で恥骨隆起もしくは、小転子部で腸腰筋腱が引っかかり弾発が起こる。 原因としては、腱の肥厚や腸腰筋滑液包炎などが考えられる。 |
(2)症状および診断 股関節の伸展位から屈曲する際に、索状になっている腸脛靭帯が大転子の前方に移動する時に雑音を生じる。大転子の滑液包炎を伴っている時は疼痛(股関節外側)を生じる。 腸腰筋の場合は、股関節屈曲、外転、外旋位から伸展する際に弾発現象が生じる。滑液包炎などでは疼痛(大腿付け根内側辺り)を生じる。 |
(3)治療 弾発股の治療は一般的に保存療法が行われる。疼痛などの症状が強い場合は、観血療法となることがあるが、まずは保存療法を行う。外側型の場合は、オーバーテストなどにより、大腿筋膜張筋の拘縮を患側と健側で比較してみる。拘縮がある場合は、腸脛靭帯に繋がる大腿筋膜張筋や大臀筋の拘縮をとる手技療法、干渉波、超音波などの物理療法、温罨法、対象筋のストレッチを行う。 内側型については、トーマステストにより腸腰筋の拘縮を検査し患側と健側を比較する。拘縮がある場合は、腸腰筋の拘縮をとる手技療法を行う。腸腰筋は脊椎の前のある深部筋であるため物理療法は行いにくい、対象筋のストレッチを行う。 |
鼠径部痛(スポーツヘルニア) PAEG TOP PART-4-6 |
(1) 病態および原因 従来は、スポーツ選手(サッカーなど)で疎頚部に痛みを生じる症状について、内転筋起始部炎、腹直筋付着部炎、大腿直筋腱炎、腸腰筋腱炎と考えられていた。恥骨部に圧通があれば恥骨結合炎と診断されていたが、潜在する内鼠径ヘルニア、外鼠径ヘルニアが痛みの原因になってることがある。 参考(鼠径靭帯の上で内側に生じるものを内鼠径ヘルニア、外側に生じるものを外鼠径ヘルニア、鼠径靭帯の下大腿付け根あたりに生じるものを、大腿ヘルニアと言う) 通常鼠径ヘルニアは、小児や高齢者に多いのですが、サッカー選手などにも多く認められる。 股関節の内転、外転、キックなどの動作を繰り返し、鼠径管後壁の弱化を招くものと考えられる。また、キック時の腹部圧力の増加も発生要因と考えられる。 |
(2)症状および診断 鼠径部、内転筋近位部に疼痛がみられる。陰嚢周囲への放散痛、下腹部、大腿直筋近位部、坐骨部に痛みを生じる。疼痛はランニング、キック動作などにて生じ、急性期ではくしゃみや咳、階段の昇降時でも疼痛生じる。股関節内転、SLRの抵抗運動により疼痛誘発テスト、X線所見で恥骨結合部の変形などを確認する。ヘルニア造影検査を行う。 |
(3)治療 原則保存療法である。股関節周囲筋(特に股関節内転筋群)の拘縮改善の手技療法と筋力強化(特に股関節外転筋群)を行う。温熱療法や電気刺激療法も佩用する。股関節周辺の筋力強化を行う。 |
大腿部肉ばなれ PAEG TOP PART-4-7 |
(1) 病態および原因 スポーツ動作(ダッシュ・ジャンプ・キック・カッティング)などにて、急激な筋の収縮(遠心性や急進性収縮)により発生する。これは二関節筋に多くみられる。 最も多く損傷する筋はハムストリング(腱移行部で上1/3部)で、大腿四頭筋(大腿直筋・中間広筋に多い)、下腿三頭筋(主に腓腹筋)の肉離れを多くみる。 筋肉に強く引っ張られたり、強く収縮したことによって、筋肉の繊維や筋原線維、その繊維を包んでいる筋膜が損傷した状態を言います。 |
(2)症状および診断 肉離れは損傷の程度によって、T度からV度に分類される。 T度:筋線維の一部は損傷されるが、筋膜の損傷まではなし、筋収縮時の疼痛や圧痛は認められるが、陥凹は認められない。 U度:筋線維だけでなく、筋膜まで損傷される。T度より疼痛や圧痛ガ強く、陥凹は認められる。 V度:筋断裂で、受傷時から激しい疼痛、腫脹をともない、筋収縮は不能となる。 診断はxpやMRIなどの画像診断になる。 |
(3)治療 急性期では、rest、icing、compression、elevationが中心となるRICE処置を行う。V度損傷では観血療法が適用になる。 最初の3日間で痛みを取り除き、次に、テーピング、ストレッチ、筋トレなどのリハビリを行う。 |
大腿四頭筋打撲(チャーリーホース) PAEG TOP PART-4-8 |
(1) 病態および原因 コンタクトスポーツにおいて大腿部前面を打撲した時に、大底四頭筋が打傷されたものである。 |
(2)症状および診断 MRIなどで損傷部位、血腫の状態をみる。エコーでも見ることある。経過とともに骨化性筋炎 |
(3)治療 急性期は、RICE(安静、氷冷、圧迫、挙上)を行う。2〜3日は、アイシング、アイスマッサージ抗炎症薬、鎮痛薬の服用、冷湿布を行い、その後に温熱療法などにて血腫除去の目的で血行をよくする治療を行う。筋肉断裂を起こしているときは、手術が必要である。 |
骨化性筋炎 PAEG TOP PART-4-9 |
(1) 病態および原因 骨化性筋炎は、外傷性の異所性骨化とも言われ、打撲や肉離れなどの合併症と生じる。特にラグビーなどのコンタクトスポーツで大腿部前面を相手選手と衝突(膝などでで圧挫をうける)することで筋肉に血腫が形成されることが引き金であると言われる。応急処置としてRICE処置を行い、血腫の拡大を抑える。この血腫は大腿四頭筋挫傷や大腿部の肉離れで、筋内毛細血管の損傷による出血により形成され、これが異所性骨化が生じる。 損傷後の治癒過程 @筋組織の損傷血腫形成→RICE処置 A血腫の吸収と同時に石灰化が生じる→患部を安静にする B2週間ほどで、石灰化部分が拡大する。 C3〜4週間で石灰化部分がより明瞭となり、XPで骨化が明確になる→固定除去後、無理やり動かさない。 D約4〜5月にて骨化部分が徐々に小さくなっていく→患部を愛護的に動かしていく 受傷後の乱暴な関節可動域訓練や、急性期のマッサージにて筋繊維の損傷を起こし、骨化性筋炎を生じることがある。 |
(2)症状および診断 腫脹、圧痛、関節の可動域制限がみられる。腫脹部には触診により血腫形成を確認出来る。 XPにて異所性骨化の状態を確認する。筋挫傷から3週前後で仮骨様の陰影が確認出来る。 3ケ月から6ヶ月で成熟した骨に置き換わると言われている。 |
(3)治療 筋損傷時の応急手当RICE処置を行う。血腫を大きくさせないようにすることが重要である。 血腫ガ大きい時は、穿刺または切開により除去する。固定期間が過ぎれば無理のない範囲から温熱療法や関節可動域訓練を行っていく。 |
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